今回は、北欧食器ブランド・ARABIA(アラビア)について紹介します!
アラビアって聞いたことあるけど、そもそもどこの国のブランドなの?
そんな方もいるのでは。
この記事では、アラビアの歴史や、人気シリーズのおすすめアイテムを使ったコーディネートまで詳しく解説します。
実は、アラビアの食器は和食とも相性がいいんです。
ぜひ注目して下さいね!
先にアラビアの商品がみてみたい!という方はこちらからご覧いただけます。
アラビアの主な人気シリーズ
パラティッシ
シンプルなフォルムに、パンジーやカシス、ぶどう、りんごなどが描かれたアラビアを代表するシリーズです。
フィンランド語で「楽園」という意味で、1969年から作られているロングセラー。
デザインは、”キング オブ デコレーター” などと称されるビルガー・カイピアイネンです。
1974年に、オイルショックの影響で生産終了になりますが、1988年から再び生産され、現在まで人気を誇っています。
当初は、ブルー&イエローのカラーでしたが、1972年にはブラックのパラティッシが誕生。
2012年に、フィンランドの百貨店「ストックマン」の創業150周年記念の特別カラーとしてパープルが登場しました。
おすすめアイテム
パラティッシ プレート 16.5cm
このプレートをおすすめするのは、絶妙なサイズ。
1人分のメインのおかず用や取り皿に、デザートやパン皿として幅広く使えます。
しかも、くぼみがないのでカップのソーサーにもなります。
ソーサーが割れても買い足すことができる優れたアイテムです。
ボウル 13cm パープル
1人分のスープやサラダ、シリアルボウルとして活躍します。
落ち着いたトーンのパープルは和食との相性も良く、煮込み料理やおひたしなどの副菜を盛り付けてもなじみます。
重ねやすいフォルムもポイントですよ。
テーブルコーディネートのお手本
白やガラス、木製プレートなどシンプルなものとあわせると、柄がより引き立ちます。
食卓に飾られたお花がプレートにも使われているイエローと合って、すてきですね!
ブルーは食器でよく使われるカラー。
手持ちの食器でブルー系のものとあわせてみましょう。
その際、同じ質感の磁器とあわせるとまとまりのあるテーブルになりますよ。
ちなみに、パンをのせているうつわは、うちるでも扱っている美濃焼のぎやまんの大皿です。
色のトーンがあっているので違和感がありません。
24h トゥオキオ
シリーズ名のトゥオキオは、フィンランド語で「瞬間」を意味する言葉。
手描き風のブルーの模様1つ1つが瞬間を表現しているようにも見えます。
朝から晩まで24時間使えることをコンセプトにしている機能的なデザイン。
フォルムのデザインを手掛けたのは、フィンランドのデザイナー ヘイッキ・オルボラ。
和洋中さまざまなメニューにあうので、毎日の食卓で活躍しますよ。
おすすめアイテム
24h トゥオキオ ディーププレート 24cm
このアイテムのおすすめポイントは、深さとサイズがあること。
プレートとボウルを兼ねたようなフォルムで、汎用性があります。
パスタやカレーにも使えますし、呉須のような深いブルーは肉じゃがなど和食にも合いますよ。
24h トゥオキオ マグ
映画や読書、デスクワークのお供にも使い勝手のいい、たっぷりサイズ。
コーヒーを淹れたら、お気に入りの焼き菓子と一緒に、午後のティータイムの始まりです。
大切な方へのプレゼントにもぴったりですよ。
テーブルコーディネートのお手本
ブルーの反対色はイエロー。
そのためイエローとあわせると、よりブルーが引き立ちます。
イッタラのティーマのカップ&ソーサーや、お花、キャンドルにイエローの物を合わせ方がすてきで、真似してみたくなりますね。
24h アベック
2003年、アラビアの創業130周年を記念して発売されました。
映画「かもめ食堂」でも使用された人気商品です。
フォルムデザインは、トゥオキオ同様ヘイッキ・オルボラ、パターンはカティ・トゥオミネン=ニーットゥラが手がけました。
朝から晩まで24時間使えることをコンセプトにしています。
ブルーの細かいラインが放射線状に施されたプレートは、和のたたずまいも感じます。
和洋使えるマルチなデザインは、毎日の定番食に使えそう。
色は、発売当初はブルー・グリーン・ブラウン・ベージュの4色でしたが、2015年にパープル、2021年にイエローが加わりました。
おすすめアイテム
24h アベック プレート 26cm ブルー
このプレートのおすすめポイントは、和食器を思わせる色合いとデザイン。
SNSではおにぎりと唐揚げなど、和食のワンプレートに使う方も多いです。
焼きそばなど1人分のメインのおかずを盛り付けるもよし、取り分け用のサラダを持ってテーブルの中央に置くだけでも素敵です。
テーブルコーディネートのお手本
大皿の上に無地の食器を重ねると、おもてなしにぴったりなよそいきの雰囲気になります。
また、豆皿や小さなお猪口などをのせて、複数の料理を盛り付ければ、レストランのような華やかなワンプレートになりますよ。
Moomin ARABIA
ムーミンに登場するキャラクターが描かれた人気シリーズです。
個性豊かな生きものたちが、ムーミン谷で自由気ままに暮らす姿が食器に表現されています。
その種類は豊富で、世界中で愛されるコレクターアイテムとなっています。
その中でも、マグカップの種類は100種以上。
1990年にカイ・フランクがデザインしたティーマにムーミンの絵をのせたマグが販売されたのがはじまりです。
おすすめアイテム
ムーミン マグ 0.3L ムーミン グリーン
ムーミンの”クラシック”シリーズは、ムーミン谷の仲間たちの、ひとりひとりの性格や個性を表現したデザインが特徴的。
このマグカップでは、1957年に発表されたコミックス『まいごの火星人』からのワンシーンが描かれています。
爽やかなグリーンの色合いが、食卓のアクセントに。
ムーミンたちと一緒に、素敵な時間が過ごせそうですね。
ムーミン マグ 0.3L ラブ
このマグカップでは、ムーミンとスノークのおじょうさんの仲睦まじい姿が描かれています。
どの角度から見ても、幸せそうな二人に思わずにっこりしてしまいますね。
300mlの容量は、普段使いにぴったりなサイズ感ですよ。
ムーミン ガーデンパーティー 2023サマー プレート 19cm
2018年から続く、ムーミンたちが過ごす夏休みを描くシリーズの最終作。
ムーミン一家が、動物園から逃げ出したトラと仲良くガーデンパーティーをしているデザインです。
トーストやサラダ、取り皿などとして、使い勝手のいいサイズです。
テーブルコーディネートのお手本
食器のグリーンとテーブルクロスの色を合わせています。
柄物はコーディネートが難しいと思われがちですが、小物の色と合わせると統一感のあるテーブルになります。
ムーミンシリーズは、デザインのバリエーションが豊富。
好きなキャラクターで組み合わせるなど、キーワードを決めてコーディネートするのも楽しいですよ。
スンヌンタイ
パラティッシのデザイナー、ビルガー・カイピアイネンのデザイン。
パラティッシの誕生50周年を祝し復刻しました。
スンヌンタイはフィンランド語で「日曜日」の意味。
明るいイエローの大胆な花のデザインは、テーブルを明るく彩ります。
花びらが、リムに描かれているのもユニークですね。
おすすめアイテム
スンヌンタイ マグ 0.35L
映画や読書、デスクワークのお供にぴったりな、350mlのたっぷりサイズ。
スープを注いで、食事のシーンでも活躍します
明るい黄色が差し色として、華を添えてくれますよ。
スンヌンタイ ボウル 17cm
ごろっと具沢山のシチューやポトフにぴったりのサイズ感。
しっかりと深さがあるので、ちょっと軽めの麻婆丼やアヒポキ丼も大丈夫です。
朝食のグラノーラや、サラダボウルとしても大活躍しますよ。
テーブルコーディネートのお手本
シリーズでコーディネートするのがやっぱり素敵!
柄物のクロスを使っていますが、色をイエロー・ホワイト・グリーンの3色に絞っているので統一感がありますね。
エステリEsteri
このシリーズは、その名のとおりデザイナーエステリ・トムラによるもの。2017年にフィンランド独立100周年を記念して登場しました。
この絵柄は、もともと1973年にアラビア創業100周年を記念して手掛けたもの。
当時はブルーとブラウンのカップ&ソーサーのみ作られ、1年間だけ販売されました。
現在発売されているエステリシリーズはその復刻版です。
特にマグカップは、発売後大変な人気を博し、プレートやボウルを加えたシリーズとして発売されることになりました。
おすすめアイテム
エステリ サービングプラター
サービングプラターの形は、1950-70年代に特に人気が高かった古くからの形状です。
チーズやドライフルーツを盛り付けたり、カッティングボードとして調理道具としても使えます。
使わないときは、フックやスタンドにかけてインテリアとしても楽しめますよ。
エステリ プレート 24cm
ガパオライスにレタスとトマトのサラダを添えて、ワンプレート料理にぴったり。
リムが立ち上がっているので、デミグラスソースをかけたオムライスも安心です。
全体に模様が施されているので、お料理の間からチラッと見せる柄がアクセントになりますよ。
テーブルコーディネートのお手本
シリーズで統一するのももちろんいいですが、ブルーとホワイトの食器と合わせるのもおすすめです。
パラティッシやトゥオキオなど、同じトーンのブルーが入ったシリーズとあわせるのもいいですよ。
フヴィラ
2017年に作られた「フィンランド独立100周年記念マグ」の10種類の絵柄の1つです。
日本の美濃で名誉賞を受賞したこともある、ヘイニ・リータフフタが手がけました。
フヴィラはヘイニの祖母のコテージにインスピレーションを得たデザイン。
昔ながらのフリーハンドで描いた、野ばらをベースにした花模様は1920年代のアラビアビンテージの雰囲気を漂わせています。
おすすめアイテム
フヴィラ ピッチャー 1.0L
レトロな雰囲気の花々が全面に描かれたピッチャー。
ドリンク用ですが、花瓶としてテーブルに置くだけで、その場がぱっと明るくなります。
何も入れず、オブジェのように飾っても素敵。
柄と同系色のお花を生けるのもおすすめですよ。
テーブルコーディネートのお手本
写真のように、柄と同じトーンのピンクの小物をあわせると、シックな雰囲気にまとまります。
さらに、高さのあるピッチャーを中央に置くことで、華やかさがプラスされますよ。
コーディネートのアクセントに、花器やキャンドルなど高さのあるものを使うのはおすすめです。
アラビアはどんなブランドなの? その歴史を解説
ロールストランドの子会社として創業
アラビアは、1873年にロールストランドの子会社として創業。
フィンランド、ヘルシンキ北部の「アラビア」地区で誕生したためこの名がつけられました。
当初は、子会社として装飾のない白のシンプルな食器を作っていましたが、オリジナルのデザインを追求しようと、デザイナー取得に力を入れるようになります。
その結果、1900年のパリ万国博覧会で金賞を受賞します。
第一次世界大戦によりロールストランド社がアラビアを売却。
1916年に独立すると、独自のスタイルを歩み始めます。
1932年に、陶芸家であるクルト・エクホルムがアート部門を設立。
装飾性と機能性を兼ね備えた製品を生み出すようになります。
その一方で、パラディッシをデザインしたビルゲル・カイピアイネンなど有望なデザイナーを採用していきます。
カイ・フランクの入社でさらなる発展を
1945年にカイ・フランクを主任デザイナーに迎えたことで、アラビアは大きな発展を遂げます。
「敗戦国のフィンランドで、庶民の食卓を少しでも豊かにすること」を命題にして作られたのが「キルタ」(現在のティーマ)です。
“シンプルで心動かされるデザイン、スペースが狭くても積み重ねて収納できる、手に入りやすい価格帯の食器”は、現在まで続くロングセラーです。
近年のアラビアについて
アラビアは1984年に、もとは親会社だったロールストランドを傘下に収めるほど成長を遂げます。
1990年には、イッタラとともにハックマングループ(後にイッタラに名称を変更)に買収され、2007年にはフィスカースグループの傘下になりました。
現在「アラビア」という会社は存在しませんが、フィスカース社のテーブルウェアブランドとして人気を博しています。
アラビアで活躍したデザイナー
ビルガー・カイピアイネン(1915-1988)
ヘルシンキ美術大学で陶芸を学び、アラビア社のアートデパートメントのメンバーとして活動を開始。
しかし、入社翌年にポリオを患い、両足が不自由になってしまいます。
そのため当時主流だった足踏みのろくろが使えず、フォルムデザインをあきらめることに。
デコレーションに力を入れるようになり、生まれたのが、今でも絶大の人気を誇るパラディッシです。
カイ・フランク(1911-1988)
「フィンランドデザインの良心」として知られるデザイナー。
1944年アラビア社へ入社すると、陶芸経験がないにもかかわらず頭角を現し、1946年にアート・ディレクターに就任します。
彼の功績は、連続製産を利用し、万能で実用的な質の高い食器を、手頃な価格で買えるようにしたこと。
その後イッタラでデザインした、代表作であるティーマは、敗戦後の狭いキッチンでも収納できるようシンプルでコンパクトにデザイン。
また、食器はセットで買うものという、当時の認識を覆し、古い物と組み合わせできるようにするなど、ライフスタイルにも影響を与えました。
彼の作品は、数々のアワードを受賞。フィンランドでは、彼の名前を冠したカイ・フランクデザインアワードが設立されました。
エステリ・トムラ(1920-1998)
1940年にヘルシンキ美術工芸大学へ進学し、陶器の絵付けを学びます。
第二次世界大戦で一時は勉強を中断するも、1947年に大学を卒業。
アラビア社に装飾デザイナーとして入社し、定年まで勤務しました。
花や植物などをモチーフにした繊細なデザインが特徴です。
1984年に退職するまで150ものデザインを生み出し、アラビア100周年のデザインも手がけました。
ルート・ブリュック(1916-1999)
1942年に美術部門を創設したクルト・エクホルムに招かれ、アラビアへ入社。
陶芸の経験がなく、懸命に技術を習得し、独自の釉薬や型の技術を開発します。
1951年のミラノ・トリエンナーレでグランプリを受賞。
60年代以降、教会や市庁舎など公共建築のための大型壁画なども手がけました。
ちなみに、ブリュックの夫はフィンランドデザインの巨匠、タピオ・ヴィルカラ。
各地でプロジェクトを手がける夫と共にさまざまな国を旅し、一家で毎年ラップランド北部に長期滞在する中で得た、自然や日常の風景を表現し続けました。
ライヤ・ウオシッキネン(1923-1004)
1947年からアラビア社で装飾画家および装飾デザイナーとして活動。
100を超える食器装飾を手がけました。
彼女の作品は、フィンランドの自然、特にアラビア社の工場の近くにある、自身の市民農園からインスピレーションを受けています。
また、アジアやアメリカなど、自身のデザインに影響を与えた場所に旅をしたといわれています。
さらに、さまざまな装飾技術を習得し、印刷技術の発展に貢献しました。
アンニッキ・ホヴィサーリ(1918-2004)
ヘルシンキ中央工芸デザイン学校で陶芸を学び、その後アラビアの工芸部門に入社。
テーブルウェアのデザインや絵付けなどを行う一方で、ロクロを使って一点物の作品も制作しました。
1962年にイタリアで開催された国際コンテストで一等を受賞したことが評価され、1963年より芸術部門の作家として活動。
土の素材感が強く感じられるものや、ターコイズブルーを使った作風が特徴です。
石本 藤雄(1941-)
1974年から2006年まで、フィンランドのマリメッコ社で勤務。
様々な技法やスタイルを駆使した400種類以上のデザインは、同社で歴代第2位の功績を残しました。
故郷の愛媛県の原風景に影響を受けた、自然をモチーフにした作品が特徴です。
1989年から、アラビアのアートデパートメントに所属。
草花や果物のレリーフなどの陶芸作品を多数生み出し、カイ・フランク賞などを受賞。
2020年に愛媛に戻り、意欲的に創作活動を続けています。
和洋使えるからおすすめ! アラビアの食器を使ってみませんか
アラビアの食器は、デザインのバリエーションが豊富。
しかも、植物をモチーフにしたデザインなど、和食器との相性がいい商品が多いのも特徴です。
染付などブルーを基調とした食器とあわせるとしっくりきますよ。
どのシリーズも、サイズ展開が多いので、気に入ったら1ずつコレクションするのもおすすめです。
アラビアの食器でいつもの食卓を変えてみませんか。
今回ご紹介したうつわは、こちらからご覧いただけます。
そのほか、北欧食器について詳しくはこちらの記事でも紹介しています。
・【ARABIA(アラビア)/パラティッシのおすすめ】北欧食器の定番を詳しく紹介!
・【おしゃれな北欧食器ブランド特集】人気シリーズからおすすめアイテムを総まとめ
・【アラビアの皿10選】食卓を彩るパラティッシやムーミンのプレート
・【アラビアのマグカップまとめ】日常使いやプレゼントにも人気な食器
最後までご覧いただきありがとうございました。皆さまがよい作品と出会えますように!