渋くなりすぎない和食器の選び方とおすすめのうつわ23選

こんにちは。おうちで楽しむ陶器市うちる 編集局のタキです。

和食器は、土がもつ豊かな表情、素朴で深い色味が特徴です。

何とも言えずほっこり落ち着いた気分にしてくれるのも、和食器ならでは。クラシックやレトロなものを生活やファッションに上手に取り入れているコーディネートは素敵ですよね。

食卓も和食器の風情ある魅力を活かし、料理が映えるような空間作りをしているものは憧れてしまいます。

でも、和食器には昔から使われている自然素材や古来の美的感覚を活かしているものが数多くあり、いざ挑戦してみようと思っても、「渋く地味にまとまってしまうかも」や「古めかしい味気ない雰囲気になってしまうのでは?」と悩んでしまうかもしれません。

ただ、コツさえつかむと他のうつわとの相性が良いものも多く、実は頼もしい存在なのです。

和食器を使いながらも、自然にスタイリッシュにまとまるコツとおすすめのうつわをご紹介します。

目次

白いうつわは、柔らかい雰囲気のものを

取り入れやすいポイントとしては、漂白をかけたような白ではなく自然で優しい風合いの白を選んでみることがあります。

例えば粉引のうつわ。粉引は、白の中でも奥深い味わいがあるのが特徴。その中に土の色味をほんのりのぞかせると、ぐっと雰囲気の出る食卓になります。

シンプルでごまかしがきかない色だからこそ、自分が心惹かれ、素直に好きと感じることのできるものを選ぶといいですね。

美濃焼 菊花 7寸皿 白 磁器

花の形のうつわは、ひとめで「かわいい!」とつい心がはずみます。ぷっくりとした縁のフォルムは小さな菊の花びらを感じさせ、さらにキュート。大人の余裕も感じられるのはおだやかな色味のおかげです。

白いシンプルなうつわをそろえたいけれど、ちょっと可愛いものも取り入れたいという方におすすめです。丈夫で扱いやすいのも安心ですね。

鉄散 楕円リム皿 陶器 古谷製陶所

古谷製陶所さんの楕円深鉢のナチュラルカラーは、そのシンプルで使い勝手のよいかたちをさらに惹きたてています。つやっとした質感やマットでざらっとした手触り、白と土色のゆるやかな色の移り変わり。

大事に使い続けると、表情の変化も楽しめる陶器です。麺類でもご飯ものでも、もちろんおかずでも大活躍間違いなし。一揃いしておくと、何かと頼れるうつわです。

美濃焼 粉引削り飯碗 陶器

和食器を代表するうつわの1つ飯椀です。かんなで一つひとついれた削り模様が、器の表情と質感を感じさせてくれます。

飯碗として以外に、スープボウルとして、デザートを盛って……あらゆるシーンで使ってみたくなります。

優しい象牙色は、朝のゆっくりとした時間でも、にぎやかな晩の食卓にも違和感なく馴染みます。

印花ちょこフリーカップ 白 陶器 武曽健一

独特のあたたかな白色は、赤土の上に白化粧を施し釉薬をかけるという作業で完成します。

側面をはなやかに覆うフラワーモチーフは、手作りの印を押してつくられており、陶器がもつ自然な表情に愛らしさを添えてくれています。

そば猪口以外にも、スープやコーヒーのカップ、おやつなどさまざまなライフスタイルに合った使い方ができる便利な形です。

土ものの表情を感じられるうつわを

和食器は、土のいきいきとした温かみを感じることができます。柄や模様が施されていなくても、自然が織りなす色は素朴で優しく、実に彩り豊かです。

コーディネートを楽しむならば、土ものの表情を大事にしているうつわはぜひとも選びたいところ。

陶器はアースカラーを中心に選ぶと、色の相性を心配しすぎる必要がありません。自然由来の色味は主張し過ぎず、うつわどうしお互いの色と、食材をひきたててくれます。

ブロック切立ボウル もえぎ 陶器 伊藤豊

そのときの土や焼成などの微妙な違いから、一つひとつ違った味わいが楽しめるボウルです。もえぎ色の懐かしいたたずまいにほっこりするし、レトロ&モダンを感じさせる外側の彫り模様の見事なデザインには心惹かれます。

食材を優しく受け止めるように引き立ててくれる、懐の深いうつわです。2人分のおかずがぴったりの使いやすいサイズ感となっています。

輪花皿 大 陶器 笠原良子

緑色をおびた半マットなグレーは洗練されているだけでなく、温かみも感じられます。華やかで大きなおさらですが、どこか落ち着いていて、品よくまとまります。汁気のあるお料理も安心のやや深みがあるかたちです。

そっと手に取ると、裏側はつやつや輝くほど、たっぷりかけられた茶色の釉薬が見え、一層贅沢な気分にさせてくれます。食卓を囲む時間をていねいに考えられたうつわです。

正角皿 長石釉 陶器 寺村光輔

林檎や梨の木の灰など、身近にある自然の素材を使って作陶されている寺村さんの作品。あえて原土に近い土が多く使われていて、じっと眺めていると、石、水、落ち葉など益子の自然がもつ、あるがままを感じられそうです。長く使い込むほど、心許せる存在になりそう。

オーバル皿 中 わら灰 陶器 庄司理恵

濃げ茶色と黄色を、ふわっと折り重ねた絵画のような表情を持つうつわです。貫入のひびがさらに深みを与えています。手描きの絵のように1つとして同じものは無いので、スタッキングしたときの色のグラデーションも情緒的です。

庄司さんのわら灰シリーズのうつわは経年変化があまりなく、そのままの色合いを長く楽しめます。しっかり出番が多くなりそうな、使いやすい形も魅力です。

染付をシンプルに、取り入れる

染付とは、呉須という顔料でうつわに色を施すこと。

和食器の技法として広く知られているもので、渋くなり過ぎてしまうのでは、と思う方もいるかもしれません。

ただ、美しくなめらかな地肌に施された藍色は、とてもスマートで上品で手描きならではの味わいもあります。

和のモチーフも取り入れ方次第では、レトロモダンなムードになります。引き算をしたようなデザインは、さらりとスマートな食卓を楽しめます。

しのぎ7寸皿 染付サビ花つなぎ 磁器 皓洋窯 有田焼

縁に施されたしのぎにより、藍色の濃淡が美しい磁器です。ふんわり縁取りするように描かれた花々は、北欧の早春を思わせます。毎日の生活に馴染みながらも、ほっこり明るい気分にさせてくれます。

伝統的な有田焼がもつ魅力をしっかりと受け継ぎながら、現代のライフスタイルを考えて作られているデザインです。

みのり木瓜小鉢 染付ふちどり 磁器 皓洋窯 有田焼

縁起が良い吉祥紋のひとつ、木瓜をモチーフにしたフォルムの有田焼のうつわ。副菜や果物を盛り付けるのにはうってつけのサイズです。シンプルな印象のうつわですが、形にそって施されている縁取りの染付は過剰過ぎず物足りなさすぎず、バランス感が絶妙です。

作家さんのセンスの良さが伝わるデザインで、汚れがつきにくく軽く丈夫なので、日常使いしやすいのも大きな特徴です。

三菊唐草紋 5寸鉢 陶器 村田亜希 益子焼

日常生活にそっとよりそうように、やわらかい存在感をもつ菊と唐草文様が描かれた5寸鉢の陶器。側面にもお揃いの染付文様が施されているので、どの角度から見ても絵になるのが素敵!うつわにおかずをよそうとき、食器棚にしまうとき、手渡したとき……ふとした瞬間にちらりと文様が目に入るとうれしいですね。

さわやかで可愛らしい、和の雰囲気とちょっぴりモダン。あらゆる魅力を1口ずつ、味わえるような贅沢なうつわです。

渋すぎない色選びのコツ

和食器を使ったコーディネートを考えるときに、和の趣も大事にしたいけれど古めかしい雰囲気にならないかな?と悩んでいませんか。

そんな時には、和食に合わせると考え、鮮やかでありながらも、落ち着いたトーンの色のうつわを選ぶといいかもしれません。

ブルーがかったグレーなど、ニュアンスのある繊細な色味が特におすすめ。

作家さんがこだわって作り出した色には、味わい深さとスタイリッシュさを感じさせるものが揃っています。

瑠璃釉 7寸皿 陶器 古谷製陶所

しんとした夜や、神秘的な海を思い起こさせる瑠璃色の釉薬が目を引きます。細かい金色の斑点は、まるで宝石のラピスラズリのよう。絵画の品格を高めてくれる額縁のように、食材を魅力的に演出してくれます。

もちろん、和の食材にもぴったりなうつわ。立体的になっている縁の3段ラインはちょっぴり特別感があり、気負いすぎず、おもてなしの席に使えます。

オーバル M 青 半磁器 東月窯 久保 雅裕

さわやかな薄青がみずみずしい印象のオーバル皿。一つひとつ手でつくられたやわらかなたわみがその色味を一層生き生きしたものにしています。

バランスを取るように、ぐるりと縁取るブラウンの釉薬のにじみは、きゅっと全体を引き締め、大人な印象に。おしゃれな遊び心が楽しい作品です。あたため程度の電子レンジや、食洗機にも対応しているのもうれしいうつわです。

八角皿 薄荷 陶器 平沢佳子

薄荷色の清涼感と、手にしっとりと馴染むような温かみを感じさせる独特の色合いのうつわ。外の八角部分とうつわの内側のなめらかなカーブの対比が何とも素敵です。控えめながらも、食卓にそっと花をそえてくれるような存在感があります。

盛り付ける食材も選ばないので、コーディネートのポイントになるようなうつわが欲しいけど、派手なもの挑戦しにくいと感じる方におすすめです。

汁椀を変えてみる

温かな汁物は、毎日でもいただきたい。と思う方も多いのでは。

汁椀は出番も多いので、お気に入りのものを探してみる価値は十分にあります。

じんわりと汁椀を通して伝わる食材の暖かさは、ほっと豊かな気分にさせてくれます。ぜひ、こだわりの一品を探してみてはいかがでしょう。

汁椀も、近年さまざまな形や色のものがつくられているので、ほかのうつわと相性の良いものやコーディネートのアクセントになるものなど、ついたくさん目移りしてしまいそう。

しらさぎ椀 M ナチュラル さくら 白鷺木工

三代に渡り、木のうつわを作り続けている白鷺木工さんの汁椀は、丸く、ふっくらとしたフォルムの持ちやすいデザイン。

この汁椀には、国産の桜の木が使われていて、木目は「縦木」とよばれる木取りの方法で美しい木目が出るように一つひとつ丁寧に作られています。そのナチュラルな風合いは、他のうつわとの相性もよく、コーディネートを邪魔しません。

越前塗りの汁椀 朱 松屋漆器店

この漆椀の、最大のポイントは、漆塗りでありながら独自の製法により、家庭用の食器洗浄機・乾燥機の使用が可能なところです。 毎日使う汁椀だから、 お手入れも気にしたいところですよね。

漆は油分のない良質な素黒目漆を使用し、 艶はマットで、落ち着いた品のあるきめ細かさで、とても上質な仕上がりになっています。

しらさぎ椀 S こども椀 漆黒 白鷺木工

子ども向けの小さいしらさぎ碗。お椀の中が少し厚めに削られており、うつわ自体の重みのおかげでこぼしにくくなっています。漆を塗って、拭くという作業を繰り返し、木に漆をしみこませていく「拭き漆」という技法で漆を塗っています。

お椀のかたちが、きれいで使いやすいと、自然と美しい所作が身に付きそうです。

お椀や うちだ 色拭き漆椀 黄 中川政七商店

福井県鯖江市で越前漆器を200年のあいだ作り続けている漆琳堂さんと、上質な生活用品を提案する中川政七商店さんのコラボレーションによって誕生した色鮮やかな汁椀です。何度も施される漆塗りの工程を、毎日の使用に十分な回数に絞ることで、求めやすい価格帯になりました。

白木の天然木からつくった碗に、色漆と拭き漆を塗り重ねたお椀は、丈夫で長く愛用できます。透明感がありつつもヴィヴィットなカラーはとても印象的です。

民藝のうつわを取り入れたい

民藝のうつわは、日本だけではなく世界中にあり、それぞれの土地の風土が感じられます。

ずっしりと穏やかなイメージのやちむんや、懐かしさとどこか現代的な雰囲気が印象的な小鹿田焼、小石原焼。計算と偶然が織りなすヨーロッパの伝統技法スリップウェアなど実に表情豊かなうつわたちです。

これらは、流行に左右されない普遍的なデザインのものを選ぶと、他のうつわとよく馴染み、長く楽しめます。

7寸皿 輪 陶器 土工房 陶糸 やちむん

沖縄のおおらかさと、明るさがにじみ出てくるようなやちむん。藍色と飴色が輪になって踊っているかのような、愛らしく、躍動感のある土工房 陶糸のうつわです。

ふちに沿って描かれたダイナミックな絵柄は一枚の絵のように魅力を持ちながら、料理を明るく演出します。メインのうつわに取り入れるとテーブルが華やぎそうです。

7寸皿 トビカンナ 陶器 小石原焼

「刷毛目」「飛び鉋」「櫛描き」などの模様が特徴的な小石原焼。こちらは、トビカンナという独特の道具を用いて装飾する伝統的な技法でつくられました。料理を盛り付けると、食材が生き生きと見えてくるのが不思議!素朴でありながら、モダンな表情も魅力です。

使いやすくて丈夫なのも、普段使いのものを探している方には安心。おもてなしにも使いたくなりますね。

スリップウェア カレー皿 陶器 柳瀬俊一郎

こちら、柳瀬さんの手掛けたカレー皿は、古今東西あらゆるカレーはもちろん、和洋中、エスニックなど、どんなジャンルのお料理でも相性はばっちり。深みのある色は、クールで味わいがあり、食卓の雰囲気を引き締めてくれそうです。

スリップウェアといううつわの表面にクリーム状の化粧土で装飾し、焼き上げる技法が使われていて、1つ1つ模様が異なっています。

こだわりのフォルムをアクセントに

無難で渋くまとまってしまうのが心配であれば、思い切った柄や形のものを選ぶと、食卓のコーディネートに面白みが出ます。

また、シンプルでスタンダードなフォルムであっても、どこか1点ユニークな形を持ったうつわは、目立ち過ぎず、どんな場面でも馴染んでくれるはず。

伝統的な形、和のモチーフが使われているうつわを選ぶ場合には、色味や質感にこだわっているものを取り入れると、他にはない洗練された雰囲気になりますよ。

美濃焼 モチーフ 木瓜小皿 飴 陶器

粗めの土肌に、布目という技法を用いて施された質感が牧歌的。ややグリーンがかった飴色の釉薬がかかっており、うっすら見える地肌の様子と、そこに入る貫入は美しいのひとこと。木瓜のかたちは、まるで食卓にそっと花が咲いたようです。

醤油皿や薬味入れ、ちょっとしたおかずを入れるなど1セットあると何かと便利なサイズです。他のうつわとも相性が良いのも安心です。

木瓜角皿 土灰 長角 磁器 東屋

熊本県天草地方の天然陶石からつくられた、やや青みがかった白色の長角皿。角皿などの角を落とす「隅切り」という技法で仕上げられています。固い雰囲気になりがちな角皿ですが、隅切りを施すことにより、柔らかな表情に仕上げ、使い勝手もよくなります。

長い年月を経たアンティークのような風格を持ち、素材の良さが生きているうつわです。

まとめ

和食器といっても、表情豊かで、渋くならない、あらゆるコーディネートにおすすめの和食器を紹介しました。どれも自然がもつ風合いや、手仕事の暖かさが感じられるものたちです。

和食器がもともと持っている魅力に加え、現代のライフスタイルにもよく映えるよう考え抜いて丁寧につくられたうつわ。

毎日の食卓に、おもてなしに使えば、誰もが目を惹かれる魅力的な食卓になりますよ。ぜひ和食器のある食卓を楽しんでくださいね。

うちるでは、今回ご紹介した和食器だけでなく、さまざまなうつわを販売しています。

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